対話型数値計算

目的

本章の目的は、Pythonの対話型実行環境を用いてコンピュータによる数値計算を体感し、プログラミングの原理を実感することである。 なお本教科書は、Webページとしても公開している。

python_textbook: http://python-textbook.readthedocs.io

小さな画面で見る場合はWebページの方が適しているだろう。

Google Colaboratory(通称Colab)では、ブラウザ上でPythonを記述、実行できる。 以降ではColabの利用を想定して説明を行う。

Colab: https://colab.research.google.com

2023年3月現在、Google アカウントを持っていれば誰でも無料で利用可能である。 かんたんに利用を開始できる、自身のPCに新たにソフトウェアをインストールする必要がないためOS間でのリソースの再利用かつ配布がしやすい、といった利点がある。

ただし、上述の環境はインターネットに接続できないときには使えない。

Jupyter-notebookは、自身のPC上で起動できる対話型実行環境である。 データ解析を簡単に実施できること、その結果を再利用かつ配布しやすい形で残すことができるため、広く利用されているソフトウェアである。 インストールも簡単であるため、各自のPCにもインストールしておくと良い。 インストール方法を含むJupyter-notebookの詳細は、補足を参照すること。

Colabの起動

Colabのページから起動する

Google Colabのリンク(https://colab.research.google.com)を開くと以下のようなページが表示される。

start page

このページにはColabの簡単な説明が記載されているので目を通しておくと良い。

自身で新しいファイルを作成するには、ファイル>ノートブックを新規作成をクリックする。

start new notebook

ノートブックを新規作成する画面の一例。

new notebook

Colabの新規ノートブックの起動画面の一例。

この方法で作成したノートブックは自身のGoogle DriveのColab Notebooksというフォルダの中に保存される。

Google Driveから起動する

Google Driveから起動すると、作成時にノートブックの場所を決めることができる。

Google Drive: https://www.google.com/drive/

Google Driveの画面で、ノートブックを保存したい場所を開き、新規>その他>Google Colaboratoryをクリックすると、その場所に新しいノートブックを作成できる。

Google Colaboratoryが見当たらない場合、代わりに、アプリの追加>画面上部の虫眼鏡アイコンをクリック>colabと入力後、エンター、とすることで、Colaboratoryを見つけられる。 検索結果のColaboratoryをクリックし、インストールをすれば使えるようになる。

start new notebook from google drive

Google DriveからColabを起動する画面の一例。情報基礎演習というフォルダの中にノートブックを作成するところ。

install on google drive

Colabを検索した結果。Colabを未インストールの場合、左側のColaboratoryをクリックし、インストールする。

Colab ノートブックの基本的な使用方法

ノートブック名の変更

新しいノートブックファイルには名前がまだつけられていないので、名前を変更する。 画面右上のColabロゴの横のUntitled0.ipynbをクリックすることで名前を変更できる。 今日はプログラミング1回目なので Programming1-start.ipynb とする。

(拡張子.ipynbは、Colab上で用いる分には無くても問題ない。 Google Driveに保存したファイルをローカルのJupyter notebookでも使いたい場合、つけておくとよい。)

change name

新しいノートブックファイルの名前を変更する。

ノートブックの保存

ノートブックを保存しないと、変更点が消去されてしまうため、変更を加えるごとにファイルの保存をすることをお勧めする。 ノートブックの保存はファイル>保存をクリックして行う。

save notebook

ノートブックを保存する。

上の画像にも記載があるが、ショートカット(Windowsではctrl+s、Macではcommand+s)を用いて保存することもできる。 保存が完了すると、画面左下に「保存しました」と表示される。

finish saving

Colab ノートブックでの対話的プログラミング

習うより慣れろということで、まずは命令(スクリプト)を実行させてみよう。 以下にあるように、

print('Hello world')

とセルに入力し、Shift + Enterの同時押しをするか、セルの左側の実行ボタンを押す。

エラーなく実行されれば、セルの下に Hello world と表示される。

hello world

コマンドを実行した結果と画面の説明。

エラーがある場合は、以下のように、セルの下にエラーメッセージが表示される。 このような場合は、再度正しいスクリプトを入力し、実行する。

hello world error

コマンドを誤って入力した例。

この print() 文は、カッコ内のものを画面に表示せよ、という命令である。 正しく入力できた時は、その結果が表示されていることがわかる。

次に、以下のように一連の命令を実行してみよう。

python start

命令の内容は後で学ぶ。 今は、コンピュータに命令をし、その命令が正しければコンピュータがそれを実行することがわかれば十分である。

セルタイプ

Colabのセルには、コードとテキストの2種類がある。 画面上部の`+ コード`、`+ テキスト`のボタンか、セルの下部に表示されるボタンをクリックすることで、それぞれの種類に応じたセルを追加することができる。

cell type
  • コードセルは、上記のようなコンピュータへの命令を記入するためのもの、
  • テキストセルは、命令以外の文章、特にコードの説明を記入するものである。

コードセルはコンピュータへの命令内容を記述するためにもちろん重要であるが、 テキストセルも、後でノートブックの内容を理解するために重要である。

テキストセルを作成し、以下と同じ内容を記入して実行してみよ。

text cell

テキストセルに入力している様子。左側が入力する部分で、右側にプレビューが表示されている。

Colabの終了

上で作成したノートブックを保存し、ブラウザを閉じてColabを終了せよ。